月刊コミックアース・スターで連載されていた茂木清香(もぎ さやか)先生(@mogi_sayaka)による異色作『pupa(ピューパ)』の単行本4巻を一読してネタバレ含むあらすじや感想をまとめました。
この先を読む人はご注意ください。
4巻収録話:
- 第22話 夢遊病
- 第23話 小象のロープ
- 第24話 蚯蚓(みみず)と蛹(さなぎ)
- 第25話 彼岸の友
- 第26話 内臓の森
- 特別編 Unlucky-Boy
- おまけ(4コマ漫画8つ)
本編5話+特別編+おまけ収録で216ページ。他の巻と比べると1話分ぐらい薄くなっています。
4巻のあらすじ:
まず、1〜3巻に関してはこの記事を参照ください。
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マリアのお遊び
3巻の終わりに描かれていたマリアの妊娠について解説。
長谷川現の精子と長谷川夢の卵子を受精させ、マリア自身の子宮に着床させた。理由はpupaウイルスに感染しても生きている二人を掛けあわせたらどうなるのか興味があったからとの事。
仏木(ほとき)曰く、マリアに何を言っても無駄、倫理が欠けている、今回の妊娠もお遊び(実験)、周りの人間は全てモルモット。
1か月前の回想から妊娠まで
1か月前に夢が化け物化した後の調査から研究所から逃げ出した個体だと知っていたマリア達。それと同時になぜ現がpupaに感染して死なないのか、何か秘密があるのではないかと考える。
仏木から医神会の動きが活発と聞き、化け物の子を宿す事を決めたマリア。
着床から3日、1週間、2週間、現在(4週間)の経過について説明が。
現と夢の変化
旧伊万里亭の島で夢の生き餌になる現が。
夢はpupaのユウと一緒に過ごしていた時の記憶が戻り、現と暮らしてきた人間としての記憶が侵食され初めていて、現の事も忘れてしまう事を悲しむが、現は元のpupaに戻るならそれで良いと。
現は以上な食欲が出てきており、妹を食べてしまう事や父と同じ残虐性を感じて怖くなるが、自分の手を噛む(喰う)事で自制するが、夜には島の動物達を食い殺してしまう。
クライマックス一歩手前に突入
現が起きると夢が居らず、急いで探しに出ると父の鬼島四郎が。現の心配をよそに夢は兄の食欲を満たせるように魚釣りをしていた。
父からのかわいがりを受けていた現を助けに入る化け物の姿になった夢だったが、四郎の部下のひとりが遠くから抗pupa薬の改良版をライフルで打ち込み、夢は人間の姿に戻り倒れてしまう。
ここで四郎が備前と交わした取引内容が明かされる。夢を殺すか隔離すれば現の今後の保証と身体を元に戻す事を尽力すると。
四郎は夢を殺そうとするが、現が若干化け物の姿になり庇おうとする。
現と夢の幼少期の回想
いちゃいちゃしてた。
現に変化が
助けたかと思ったら、現は夢の身体をかじり始める。
夢はかじられても回復しない身体に異常を感じ、兄がpupaではない何か、天敵に変化しようとしている事を感じ恐怖する。そこに勝手に乳繰り合っているんじゃねーぞと父が殴りかかる。
蚯蚓(みみず)と呼ばれた少年・四郎の過去
四郎は生まれてすぐの状態で公衆便所に捨てられ、孤児院で伊万里幻十郎に引き取られる。そこから地獄がはじまり、長年背中を鞭で打たれそれを絵画に描かれる日々を送っていたが、ある日、幻十郎は自殺する。そして四郎は島を出て、長谷川幸子と知り合い、子供を設けるが、愛されたことがないから愛し方が分からない四郎は自分がやられたように暴力でしか愛を示すことができない。
初めてのお願い
現は四郎から抗pupa薬を奪い、それを自ら飲み死のうとする。そして夢を見逃して欲しいと初めて四郎にお願いをする。
現は目論見通りには死なず、異常な食欲など症状が消えた。
四郎は初めて現から頼み事をされたからと夢を見逃し、現を抱えながらその場を離れ、島から脱出しようとすると、海からマリアが。
変わり果てた島
現が目を覚ますと周囲はヘドロに包まれていた。
間もなく父とその部下達と合流するとその間の出来事を共有される。
マリアはユウの本体を食べて融合しており、夢もそのようにしようとするが、マリアの腹の中のpupaが暴走して島中を取り込んでしまう。
ユウや夢はそのうち完全に取り込まれて消えて無くなってしまう。そうなる前に現はふたりだけでなく、子供も助けたいと思うが、四郎からは自分が作った覚えのない、マリアが勝手に作った化け物の子供を探し出すのかと言われて動揺していると、その子供の方から現の元にあらわれ、本編は終了します。
特別編について
現と夢の幼少期の話で、壊れたぬいぐるみや本編で付けているヘアピンに関するスピンオフです。
4巻を読んだ感想:
4巻を読む前に、2ちゃんねるのまとめサイトで『pupa』の最終回が掲載されたという情報を見て、もう終わるなんてあまり信じられませんでした。しかし、4巻を読んで見て、話はクライマックスに突入し、もうあと1巻で終わってしまうのだなと切ない気持ちになってしまいました。
なんだかんだで一番読んでいるのはジャンプ漫画なので、多少人気が出たら無理矢理引き伸ばすのが漫画だというイメージが深層心理にあり、『pupa』も注目されはじめたので10巻ぐらい続くのかなと頭のどこかでうっすら考えていました。しかし、本作はジャンプ漫画ではありませんし、本編は終了しています。
4巻は現が初めてまともに父と対面したような内容ですし、マリアがユウを融合してきたのも島を飲み込んでしまったのも衝撃的でしたが、あくまで終焉に向けてのブリッジという感覚が強く、3巻と比べるとあまりグッと来なかったです。しかし、それと同時にどのような終わり方を迎えるのか期待感は高まっています。
※最終巻だと思われる5巻は2014年2月12日発売予定です。
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